ノロウイルスは腸管(小腸)で繁殖されます。
そのため、発症患者から排出されるウンチには、腸内にあったノロウイルスが大量に含まれており、集団感染に至る経路としてトイレはもっとも危険な場所とされています。
ノロウイルスが猛威をふるう冬の時節には、自宅のみならず、外出先でのトイレ使用にも不安を感じるものですよね。
ノロウイルスの感染経路に多いトイレにおける、正しいトイレ仕方を身につけておきましょう!
目次
ノロウイルスがトイレで感染する経路は「跳ね返りと飛び散り」
ノロウイルスの感染経路であるトイレですが、一体どのような形で被害が拡大していくのでしょうか。
正しい対策を知るにも、原因もチェックしておきましょう!
ノロウイルスの感染経路① トイレでの「飛び散り」
排出されたウンチは、便器から跳ね返りお尻を汚すことがあります。
そのため、汚れは肛門周囲だけに限定されるものではなく広範囲に及び、使用後にトイレットペーパーで拭き取る際には、手のひら、手首、着衣の袖口までをも汚染してしまうことがわかっています。
長野県北信保険福祉事務局は「トイレを起点とするノロウイルス汚染拡大の検証」を行い、「排せつ後のトイレや身体の汚染状況」を模擬実験しました。
参考 : http://www.pref.nagano.lg.jp/hokuho/syokuhin-anzen
排せつ後には、肛門の周囲・便器内外・上着の袖口・ズボンのすそ・手のひら・手首にまで汚染を確認することができます。
ノロウイルスの感染経路② トイレでの「飛び散り」
洋式トイレ「排せつ物を水で流す」という行為は、水流の勢いで周囲にノロウイルスを含む水滴を飛び散らせることとなり、飛散したノロウイルスは、その後、空気中に拡散します。
男性に多くありがちな、便座や床への尿の飛び散りも同様に危険です。
英国Mark Wilcox教授らの実験により、トイレを流したときに飛び散るノロウイルスは、便座の上空25.4cmにまで達し、90分間空気中を浮遊すると判明しています。
実験検証データとして汚染域を確認すると、想像以上に広範囲の拡散であることに驚くばかりです。
トイレという空間は隅々におけるまで気の抜けない危険地帯であるということを認識し、対応していくことが大事です。
ノロウイルスを飛散させないトイレの使用方法
- トイレ使用後は、便座の蓋を閉じてから流しましょう。
- 男性はなるべく座った姿勢で使用しましょう。
- 衣服の袖(そで)や裾(すそ)をまくり上げておき、使用後は手首より上まで念入りに手洗いしましょう。
- 使い捨てのペーパータオルや便座シートを上手に活用し、ノロウイルスが付着していると予想される場所に直接触れないように気をつけましょう。
- トイレには専用の履き物を使用し、ウイルスをトイレ外に持ち出さないようにしましょう。
トイレをノロウイルスの感染経路にしないために
トイレは、他人と共用して使用する場所です。
そこは決して、自分が感染してしまう場所であってはいけないし、他人を感染させてしまう場所であってはいけません。
ノロウイルスを拡散させないように使用することは、次に使用する人への配慮であり、自分自身への予防にもつながると考えます。
ひとりひとりが意識をもって、トイレを清潔に保つ努力をしていきましょう。