10~20代の若者がLINE離れをしてインスタ(インスタグラム)のDM(ダイレクトメッセージ)やストーリーズを使ってコミュニケーションを取るのが主流になっていると噂されていますよね。
ですが、LINEを利用している学生や若者も多く、「若者のLINE離れは嘘なの?」と流行に敏感な方ほど気になってしまうはず。
今回は、若者のLINE離れが嘘か本当かとインスタのDMやストーリーズを使ってやり取りをする理由について考察していきます!
目次
若者のLINE離れは嘘?本当?
結論から言うと、若者のLINE離れは半分嘘であり、半分本当でもあります。
若者のLINE離れが半分嘘であるとする理由は、10~20代の年代だけを見ても、LINEとインスタ共に利用者数が増えているからです。
一方、若者のLINE離れが半分本当であるとする理由は、若者のLINE利用者数が微増であるのに対し、インスタを利用する若者が増えていっているからです。
実際に下のデータを見ていただくと、LINEの利用者数は10代で約476万人、20代で973万人であるのに対し、インスタグラムの利用者数は10代で約352万人、20代で約497万人となっている通り、若者世代であってもインスタグラムに比べてLINEユーザーの方が圧倒的に多いことが分かります。
つまりは、以下の3点のように、「LINEとインスタを共に利用する若者が増えている」ということです。
- 若者のLINE利用者は微増、インスタの利用者は増大
- 用途や相手によってLINEとインスタを使い分ける
- LINEよりもインスタを利用する時間の方が増えている
決して、「若者のLINE離れ」=「若者がLINEの代わりにインスタを利用するようになった」ということではありません。
若者がLINE離れする(しているとされる)理由
では、「若者がLINE離れしている」「若者はLINEよりもインスタを利用する」とされる理由について見ていきましょう!
以下6つのポイントにまとめて考察していきたいと思いますので、流行やトレンドに敏感な方にとって気になる時代の変化を一緒に考えていきましょう!
- LINEは連絡先、インスタはプライベートなSNS
- LINEは便利だけどプレッシャーにもなる
- 「若者のLINE離れ」=「LINEのスタンプ離れ」
- インスタの投稿はコミュニケーションを広げやすい
- 新しいものに移り変わる流行の流れ
- LINEとインスタは異なるアプリ
LINEは連絡先、インスタはプライベートなSNS
LINEの普及率や便利さから、学校の連絡網や職場のやり取りでも利用されるアプリです。
しかし、学生であれば「学校」、社会人であれば「職場」というのは、プライベートとは異なる各個人の公の場。
やはり、学校や職場といった公の場とプライベートな部分では区別をつけたいと思う方が多いかと思います。
公の場で関わる人には見られたくない情報をLINEではシェアしづらく、インスタではシェアしやすいことがLINE離れやLINEとインスタを使い分ける理由の一つでもあるでしょう。
とても簡単な例であれば、LINEのタイムラインで「彼氏とディズニー行ってきた!」とシェアしづらくとも、インスタであれば、自分のプライベートなライフスタイルや価値観をシェアしやすいですよね。
公の場とプライベートを区別することで、ほとんど同じ機能があるのであれば、公の自分としてLINEに触れるよりも、素のプライベートな自分としてインスタに触れる時間が増えていくようになるかと思います。
また、趣味趣向の多様性が広がる現代において、学校や職場などで直接関わりを持つ人達よりも、インスタやTwitterなどのSNSで繋がる友達との関係性を重んじたり、SNS上であるからこそ得られる共感や価値観の共有があったりすることも事実です。
「若者のLINE離れ」というのは、10~20代の世代だけではなく、若者達と比較しがちである30代以上の方々にとっても、「他人との関わり方」について改めて考えさせられることであるのかもしれませんね。
LINEの既読・未読機能は便利だけどプレッシャーにもなる
LINE離れをする若者世代と題して、「LINEを未読スルーや既読スルーのは当たり前」といったような表現をされがちですよね。
ですが、実際にアナタの周りにいる若者が、送ったLINEに対して未読スルーや既読スルーといったことをしているとは限らないはずです。
職場で必要な仕事上のことであっても、プライベートなことであっても、必要性があれば、ちゃんとLINEで返信が返ってきてるかと思います。
もし返信が返ってこないのであれば、それは若者うんぬんではなく、アナタ自身かその人自身に問題があるのかもしれません。
LINEの返信にプレッシャーを感じるというのは、LINE上における全てのやり取りを指しているのではなく、限定されたやり取りにおける環境を想像するべきです。
学校であれば、「このあとカラオケ行く人?」というLINEがクラスのグループラインに送られてきた場合。
職場であれば、「このあと飲みに行く人?」というLINEが同僚から送られてきた場合。
他の予定があったり、プライベートな時間を大切にしたかったりするアナタは、未読スルーをするか、既読スルーをするか、それともキッパリ断るか悩むはずです。
「行かない」と返信すれば「付き合いが悪い人」という印象が残り、察して欲しい気持ちからあえて未読スルーや既読スルーをしても、「最近の若者は…」と勝手な印象を持たれてしまうこともあります。
つまり、単純にLINEの返信をするかしないかだけでも、限定された環境によってはプレッシャーにもなるものです。
LINEの利便さによって若者世代と繋がろうとする大人達の振る舞いが、逆に若者たちをLINE離れさせる原因になっているのかもしれませんね。
「若者のLINE離れ」=「LINEのスタンプ離れ」
「若者のLINE離れ」と称して、「今の若者はLINEのスタンプを使わない」と言われたりします。
では、なぜ若者はLINEのスタンプを使わないようになったのでしょうか。
その最も大きな理由としては、無料スタンプを利用することによって広告が増えてしまったことにあるでしょう。
例えば、企業が提供する無料のLINEスタンプを利用したことで、広告のLINE通知が届いたり、タイムラインが広告でいっぱいになってしまったり。
社会人よりも気軽に課金しづらい若者世代にとって、無料でLINEのスタンプを使える便利さはあっても、広告の増大はコミュニケーションの邪魔にもなってしまうものです。
「若者がLINE離れをしてスタンプを使わなくなった」という中には、「わざわざ広告が増えるLINEスタンプを使うよりも、広告が少ないインスタを使った方が便利である」というネット広告に触れることが当たり前である若者世代であるからこその感覚なのでしょうね。
インスタの投稿はコミュニケーションを広げやすい
LINEに比べて、インスタは自分のライフスタイルや価値観を投稿でシェアしやすいSNSアプリです。
つまり、インスタでは「可愛い!」「うらやましい!」といった共感を得やすいので、自然にコミュニケーションを広げるキッカケが生まれやすくなります。
例えば、話題のオシャレカフェでチルしている投稿をアップしたのに対し、「私も行ってみたい~」「美味しそう~」といったコメントやDMからどんどん話題を広げていくことが出来るでしょう。
一方、もちろんLINEのトークルームやタイムラインで投稿をシェアすることが出来ますが、投稿を閲覧した側の印象がインスタとは異なるかと思います。
投稿の内容は一緒でも、自慢気な印象を与えるかもしれませんし、「わざわざLINEでシェアすること?」と疑問を持たれてしまうかもしれません。
LINEは連絡先として交換した「限定的な」ネットワークの中で。
インスタは普段繋がることのない人達とも繋がることが出来るネットワークの中で。
LINEとインスタで異なる「シェアの距離感」が、若者のLINE離れに繋がる理由でもあるのでしょう。
新しいものに移り変わる流行
サービスの発展だけではなく、時代の変化によって、流行は日々移り変わっていくもの。
2011年にリリースされたLINEは約10年の時を経て、誰もが利用するアプリになったと言っても過言ではないでしょう。
ですが、同時に大人世代とは異なる自分達にマッチした新しいものを好む傾向にある若者世代にとって、
「LINE離れというのは上の世代と自分達の世代を区別」しようとする意味合いがあるのかもしれません。
「LINEはもう古い」といった簡単な表現の中には、「大人達が知らない若者だけが知る流行」を生み出そうとする若いチカラが隠れているとも考えられます。
それは、今の30~40代が若かりし頃に、ガラケーではなくスマホ時代、mixiやアメブロよりもFacebookやTwitterの時代と「区別」しようとしていたことと同じであるのかもしれません。
「最近の若いものは…」という言葉によって、若者世代と区別しようとする大人達がいるからこそ、若者達はLINE離れという形で、インスタのDMやストーリーズを使い切れない大人達、Airdropを使い切れない大人達と区別をしようとしているのでしょう。
LINEとインスタは異なるアプリである
最後にまとめとして伝えたいこととしては、LINEとインスタグラムは異なるアプリであること。
よくLINEもインスタグラムもSNSアプリとして比較されますが、「異なるアプリ」という点で少し考えていただきたいのは、「そもそもLINEはSNSアプリなのか?」ということです。
元々のサービスコンセプトとしてLINEはチャットアプリ、インスタはSNSアプリであるという認識や感覚をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
確かに、LINEもインスタもSNSアプリとしての機能がありますし、限定された関係の中でコミュニケーションを取ることが出来るアプリです。
ですが、LINEとインスタをSNSアプリとして比較してみると、「情報をシェアする範囲」に決定的な違いがあるでしょう。
単純な例で言うと、インスタにはあってLINEにはない「フォローする」「フォロワーになる」という機能の違いがあるようにです。
「インスタ映え」という言葉があるように、インスタでは人の好奇心をそそるようなオシャレな投稿をして、自分を演出することができ、普段繋がりの無い人からいいねをもらえることで承認欲求を満たすことが出来ます。
また、ファッションやメイク、旅行など女性にとって関心の高いライフスタイル情報を、ネットで「ググる」よりもインスタのハッシュタグで「タグる」ことが主流になっている時代でもあります。
若者のLINE離れにおける最大の理由は、LINEでシェアやコミュニケーションを取るよりも、インスタでシェアしたりコミュニケーションを取ったりする方が、現代の若者世代の価値観にマッチしているということなのでしょうね。
あえて使わない「LINE離れする若者」
ご紹介してきたように、大人世代が当たり前のように利用するようになったLINEを「あえて使わない」若者世代の心理について、少し見えてきた部分がありませんか?
若者がLINEとインスタを使い分ける時代になったように、大人世代もLINEとインスタを使い分けるべき時代であるのかもしれません。
もしかしたら、近い未来では、LINE離れどころかインスタ離れという言葉に接するようになるかもしれません。
「若者がLINE離れしているからインスタを利用するべき」ということではなく、年齢に関係なく、お互いがコミュニケーションを取りやすい環境をお互いが考えて、「区別し合わない柔軟性」という価値観が若者世代と大人世代の両方に求められる時代であるのでしょうね。