ウイルス性胃腸炎になったら、まったく食事が摂れない日が数日続きます。
少し症状は治まってきたみたいだけど、食事を摂っても大丈夫かしら。
体力をつけるためには何か少しでも食べておいた方がいいのかしら。
とそのタイミングを悩む人も多いでしょう。
その時期と、なにを食べるかは、回復を大きく左右します。正しい食事法を知っておきましょう!
目次
ウイルス性胃腸炎の食事はいつからOK?
ウイルス性胃腸炎の食事は、その症状を目安にします。
原因となったウイルスは、下痢やおう吐などの排出物とともに体外に出ていき、症状もそれと共に自然に治まってきます。
回復の兆しが見え始めたら、そろそろ食事を……
と考え始めるところですが、数日間空っぽになった胃は弱っており、食べたものを消化させる機能が低下しています。
再び、消化不良によるおう吐や下痢といった症状をぶり返してしまう恐れもあることから、徐々に、胃に負担をかけない食事から慣らしていくことが大切です。
ウイルス性胃腸炎発症時の食事法
症状の目安としては、水分摂取だけでもトイレにかけこむほどの強い症状(おう吐・下痢・発熱など)をともなう期間となります。
胃にウイルスを入れないためにおう吐してしまい、腸にあるウイルスを排出するために下痢をします。
腹痛を伴い、水分さえも受けつけるレベルではないときです。
適度な水分補給を要しますが、無理な食事は控え、胃に負担をかけない常温摂取が基本です。
絶食が好ましく、体の中のウイルスが出きってしまうのを待ちます。
水分補給は体が受けつけるなら、ポカリスウェットなどをお湯で薄めて飲むのも良いでしょう。
体液に近く、体に吸収されるスピードの速いイオン飲料や経口補水液は、下痢やおう吐により失われたミネラルをいち早く補ってくれます。
1日以上、おう吐や下痢の症状が見られなくなったら
症状の目安としては、水分補給が無理なくできるようになり、腹痛・おう吐・下痢がみられなくなってから24時間が経過した後となります。
また、空腹がつらいと感じたり、何でもいいから食べたくて仕方がないといった欲求を感じた場合も参考として下さい。
上記症状を目安とした場合は、流動食を食べるようにしましょう。
噛まずに食べられるプリンやヨーグルト、お味噌汁やスープなどの上澄みを食べてみましょう。
水分補給時には、適度な塩分を必要としますので、味については通常の味付けで大丈夫です。
特別に作る必要はなく、家族に作った食事の中から少しずつ試してみるとよいでしょう。
流動食に慣れてきたら
流動食を口にしてから1日以上を経過して、体調に悪化がみられなければ次のステップに進みます。
症状の目安としては、ウイルス性胃腸炎の症状は治まり、食欲が増してくる時。
とにかく力になるものを食べたくなってきます。食事の際、消化不良っぽい感覚をともなうことがあります。
この段階では無理をしないことが大切で、やわらかい固形物を食べるようにしましょう。
あくまでも慣らすことを前提に、固形物1に対して水分9の割合から少しずつ固形物の割合を増やしていきます。
重湯・すりおろしリンゴ(少量)・バナナなどが食べられるようになるまでゆっくり慣らしましょう。
やわらかな固形物になれたら
やわらかな固形物を口にしてから1日以上を経過して、体調に悪化がみられなければ次のステップに進みます。
症状の目安としては、ウイルス性胃腸炎の症状はなくなり、胃の痛みや不調を感じることなく食事ができるようになります。
食事のあとに消化不良を感じなくなったら完治です。
お粥やうどん・そうめんなどから始め、通常食を食べても問題無いでしょう。
食べる量は、健康な時の1/3~1/2程度にし、しばらく様子をみましょう。
胃が問題なく消化できるようになるまでは、香辛料や濃い味付けは控える方がいいですね。
ウイルス性胃腸炎の正しい食事法と間違った食事法
ウイルス性胃腸炎における正しい食事法と間違った食事法をまとめました。
ウイルス性胃腸炎の正しい食事法
- 食事のステップアップは、症状を見極めながら少しずつ進めていくことが大切です。もし途中で症状が悪化したら、ワンステップ前に戻り、再びやり直します。ゆっくりと時間をかけて回復させましょう。
- 常温、または、温めたものを摂取しましょう。生野菜はゆでて温野菜として食べるのが好ましいです。
- 大根おろしには整腸作用があります。食欲増進にもなるので、何にでもぶっかけて食べると良いです。
- 食物繊維の多い食べ物(ゴボウなど)は避けます。
- 食べたくないとき、食べられないときは絶食するべし!
ウイルス性胃腸炎の間違った食事法
- 何か食べておいた方がいいのでは……は間違い!
- 刺激物(香辛料)や脂っこい食べ物は、通常食が摂れるようになってからも1週間は食べてはいけません。
- 乳製品は賛否両論。普段、牛乳を飲んでお腹がゴロゴロする人がいるように、体質に合わない人もいます。自分判断必須。
- うどんやそうめんなどの麺類は、やわらかい食べ物と思いがちですが、よく噛まずに飲み込んでしまったら逆効果です。消化しやすいように、よく噛んでから食べましょう。
ウイルス性胃腸炎は、体内にあるウイルスを体外に排出しきらなければ治らないため、おう吐や下痢などの症状を止める薬が使えません。
自然の回復を待たなければいけないのですが、体力の低下や激ヤセが目に見え始めると、ついつい焦ってしまいがちですよね。
早く食べなきゃ!早く元に戻さなきゃ!
そんなとき、担当医が言いました。
「体が必要だと感じたら誰に止められても食べるようになるし、食べずにいられなくなります。大丈夫ですよ。」
美味しく食事が摂れるようになるまで、焦らずゆっくり頑張りましょう。